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さて前回からの続き、スツールです。 昨年の展示会でご覧いただいた方からのお問い合わせで、ミシン台用に座面の高さを変更してのご注文でした。 左は標準仕様で座面高400mm、今回は530mm。 通常よりも130ミリ高くなるのですが、このスツール、四方転びと呼ばれる、脚が放射状に広がる様に座面に取り付けられていますので、単純に脚の寸法を延長すると、脚の先端が座面よりも外側へ大きく張り出してしまいます。 この張り出しが過ぎないようにするには、座面の取付け位置を内側にずらすか、取付け位置はそのままに脚の転び角度を変更するかのどちらかです。 前者が加工上簡単なのですが、この穴が貫通して座の上面からも見えており、内側に変更すると見た目の印象も変化してしまうため、後者での対応に決定。 座面に傾斜した穴を加工するため、標準仕様用でこのような治具をすでに作ってありまして、これを穴をあけるボール盤という機械の定盤に取り付け、ここに材料をのせて穴加工をおこないますが、今回角度が若干違うため、治具と定盤の間にスペーサーを噛ませて角度調整対応しました。 座面のエッジ、上端にR9mm、下端にはR20mmのボーズ面(丸面)が施されており、かなり丸みを帯びたかたちとなっており、この面取りには写真の様な回転刃物を使って、先端のガイドベアリングを外周に沿わせながら切削します。 この方法でサークル状の板を面取りすると、逆目に切削してしまう箇所ができてしまい、少しずつ刃物を出しながら数回に分けて削っても仕上がりが粗くなってしまいます。 また写真の様に、ガイドベアリングを沿わせるために細長い帯状の平面が残ってしまい、稜線が残ってカクっとしています。 ここからの木地仕上げが腕の見せ所でもありまして、サンドペーパーでの研磨で木地を均一に慣らしてゆくのですが、逆目で繊維のえぐれがひどい場合や、残った稜線の出っ張りが強い場合は、鉋で少し削りったり、ヤスリでかたちを整え直しの上で研磨したりと、思いの外手間のかかる作業となります。 この仕上げ作業がおろそかになると、自然なかたち(?)を得ることができませんので、地味ながらも大変気の抜けない箇所と言えます。 さて、ここで言っている”自然なかたち”とは何ぞや?
おろそかな仕上がりは、見た目に全く問題と気付かなくても、目を閉じて手のひら、指先の触覚で確かめることで、仕上がりの不均一さであったり、かたちのいびつさがテキメンに判ってしまいます。 わざわざ触って確かめようなんで動作をすることは普段無いでしょうが、違和感は日常の中でふと触れることで気づいてしまうものです。 こういった点に一度気が付いてしまうと、その後はずっと気になって仕方が無い、、、所有の喜びも半減、ガッカリも半端無いってものです。 ”自然な”とは知覚に違和感(不自然さ)を与えない”何でも無さ”と言えるかもしれません。 手に触れたり体を預けたりするものづくりですから、この点を軽視せず、仕上げの工程には日々腐心しております。 自身の仕事にはこう言った点で、マスプロダクトのお値段お手ごろ製品には無い価値を宿したいと考えております。 この後、旋盤で作った脚を差し込み、座面から楔を打ち込む〜接着剤が乾いたら突出部を切り落とし、平面にならして木地が完成です。
by takkanki4658
| 2019-07-14 06:59
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